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popporo

Author:popporo
初めまして。。(*^_^*)

ご趣味は? と聞かれると、「読書」と応えられるほど、読書が好きになってきました。

読書によって世界を広げることができるからです。

大切な読後の余韻を読みっぱなしにして忘れてしまわぬよう、また理解を助けるためのメモとして始めた書評記録ですが、さらに世界を広めるために、皆様から感想を頂戴できるとうれしいです。
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ある心臓外科医の裁判-医療訴訟の教訓

2013.01.12 12:38|ドキュメンタリー
ある心臓外科医の裁判-医療訴訟の教訓 ★★★★★ 2012.12.22
大川真郎
日本評論社

 心臓外科手術により死亡した患者の遺族が主治医Gと手術を執刀した教授Oに対して損害賠償を請求した裁判について、主治医が医療ミスを認め、NHKの特集番組や週刊誌(アサヒ芸能)でも取り上げられた事件についてのドキュメンタリーです。

 遺族は、主治医Gとの面談で、手術の執刀医である教授Oが患者を死亡させたのであり、教授Oが執刀することの説明もなかったとして提訴し、主治医Gによる内部告発として話題になりました。

 裁判としては、遺族が大学(病院)、教授O、主治医Gに対して行った損害賠償請求事件(医療過誤裁判)にとどまらず、教授Oがアサヒ芸能の出版社を名誉毀損で提訴した事件(週刊誌裁判)、主治医Gが遺族に対して虚偽の説明をしたこと等を理由として教授Gが主治医Gを提訴した事件、そして、教授Oが寄稿文で主治医Gの実名を出したことについて主治医Gが教授Oに対して名誉毀損で訴えた事件の合計4つの裁判が起こされましたが、最後の裁判を除いて教授Oが勝訴する形で終了しています。

 裁判の結果やマスコミの対応だけを見れば、勇気を持って主治医Gが内部告発したが、密室で起こった手術に対する証拠をそろえることができず、結局、遺族も主治医Gも泣寝入りするしかなかった事件のように思えます。

 しかしながら、裁判の中味を追っていくと、死亡原因は明らかではないものの、実は手術後の主治医Gのとった術後管理(術後の対応)のまずさが直接の死亡原因であり、評判が悪いとされた教授Oの経験が豊富であるのに対し、主治医Gが他の事例で致命的なミスを何件も起こしていたことなど、主治医Gの不備が明らかにされています。

 また、主治医Gの失敗は大学(病院)側の失敗とイコールであり、教授Oは主治医Gの術後管理が死亡原因だとは主張できなかったことや、大学内で教授Oを落とし込む動きがあったこと、等を読むことができます。何れにしても、裁判では手術ミスとはされなかったのですから、本書の執筆者が、教授Oから上記一部の裁判を依頼された弁護士(裁判途中で他者に引き継ぎ)であることを考えれば、教授Oの名誉を回復させることに成功しています。

 ただ、この手術が事件になったのは、主治医Gが遺族に見せた手術を不満とする態度に端を発しているのであり、主治医Gが内部告発までしたのですから、どうしても訴えたい手術ミスがあったのもまた事実なのでしょう。
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テーマ:読んだ本
ジャンル:本・雑誌